研修動画は内製と外注、どっちが正解?1000本作った私の判断基準

研修動画の作り方・進行ガイド

研修動画は内製でやるべきか、外注すべきか。この入口で半年以上止まっている担当者を、私は何十人も見てきました。この記事を読むと、自社にとっての正解が15分で決まります。私はVYONDでの動画制作歴7年、これまでに1,000本以上を制作してきました。そのなかで研修・教育向けの動画を中心に手がけています。外注での制作も、企業の内製化サポートも、両方やってきた立場で書きます。


判断は「本数・スピード・社内リソース」の3軸で決まる

結論から言います。内製と外注のどちらを選ぶかは、次の3つに答えれば自動的に決まります。

  1. 年間で何本作る予定か
  2. 完成までのスピードをどれだけ重視するか
  3. 動画制作に時間を割ける担当者がいるか

迷っている会社は、たいていこの3軸を整理しないまま「メリット・デメリット表」を眺めています。両方の良いところを並べて悩んでも、答えは絶対に出ません。条件で切るのが一番早いんです。


内製がハマる条件、外注がハマる条件

内製を選ぶなら、3つすべてを満たしてから

断言します。次の3つすべてに当てはまるなら、内製で問題ありません。

条件1:年間20本以上を継続して作る計画がある
本数があるからこそ、ツール代と学習時間のもとが取れます。年に数本の会社が内製にすると、ほぼ確実に元が取れません。VYONDは決して安いツールではありませんし、素材サイトや編集ソフトのサブスクが追加で必要になることもあります。この固定費を何本で割るのか。そこが分かれ目です。

条件2:機密性が極めて高く、社外に出せない情報を扱う
工場の特殊技能、商品の販売トーク、専門的な手技。守秘義務契約があっても「そもそも社外に出さない」ほうが早いケースはあります。社内の判断スピードに合わせやすいのも内製の強みですね。

条件3:動画制作に週10時間以上を割ける担当者がいる
これが最大のハードルです。ツールが触れるだけでは足りません。構成と演出ができる人が社内に要ります。もともと動画制作の経験がある方がひとりでもいれば、ハードルは一気に下がりますよ。

3つすべてを満たす会社は、正直そう多くありません。1つでも欠けるなら、外注のほうが総コストは下がります。金銭だけでなく、時間と人のコストを含めた話です。

外注を選ぶなら、1つ当てはまれば十分

逆に、次のどれかに当てはまるなら外注一択です。

条件1:年間の制作本数が10本以下
ツール代と学習コストを払うより、外注したほうが安く済みます。本数が10本を超えていても、担当者が本業で手一杯なら同じです。作る時間が取れないなら、本数は関係ありません。

条件2:3ヶ月以内に動画が必要
内製が回り始めるまで、どんなに早くても半年はかかります。学習して、1本目を作って、社内レビューを通して。期日が決まっているなら、外注のほうが圧倒的に速いです。

条件3:担当者が研修の中身に集中したい
研修担当者の本業は、研修の企画と効果測定です。動画制作にリソースを取られると、肝心の中身が薄くなります。これ、意外と知られていないんですが、研修効果を下げる一番の原因がここなんです。


内製のリアルなコストを、時間で見てください

「内製のほうが安い」というイメージ、実は危ういんです。

内製サポートをしてきて分かった、実際にかかる時間がこれです。

項目かかる時間
担当者がツールを習得するまで50〜80時間
1本あたりの制作時間(初心者)20〜40時間
1本あたりの制作時間(慣れた後)10〜15時間

ここに、あなたの会社の人件費単価を掛けてみてください。それが内製の本当の1本あたりコストです。ツールの年間ライセンス代を、年間本数で割った額も足します。

計算してみると、多くの会社で「思っていたより安くない」という結果になります。特に1本目は、学習時間がまるごと乗るので跳ね上がります。

そして、この計算にも入っていないコストがあります。その時間で、担当者は他の仕事ができたはずだということ。ここを見落とすと、判断を誤ります。

見積書の読み方については、研修動画の見積もり、なぜ会社で10倍違うのかで内訳を公開しています。外注側の金額がどう決まるかを知ってから比べると、判断がぶれません。


外注の隠れたメリットと、内製の正直なデメリット

外注すると、ノウハウが社内に残る

制作側として実体験で言えることですが、外注のメリットは「動画ができる」ことだけではありません。

やり取りの過程で、こういうものが手に入ります。

  • 研修動画の構成パターン
  • 受講者を飽きさせない演出のコツ
  • 効果測定につながる導線の設計
  • 失敗しやすいNGパターン

ディレクターが制作中に共有する内容は、そのまま発注企業の研修ノウハウとして溜まっていきます。3年も続ければ、社内に動画リテラシーが自然と育つ。これは、最初からゼロベースで内製すると手に入らない財産です。

内製の弱点は、ツールではなく人にある

VYONDは内製ツールとして優秀です。ただ、弱点も隠さず書きます。

  • 実写撮影はできない。人物・商品・現場のリアルな映像は撮れません
  • 複雑な3DCGや映画レベルの表現には向きません
  • 素材の自由度は、フルオーダーのアニメより低い
  • 担当者が異動すると、ノウハウが一気に消える

致命的なのは最後の1つです。ひとりの担当者がツールを覚えても、その人が抜ければゼロに戻ります。制作データは残っても、作り方は残りません。

内製を選ぶなら、属人化を避ける仕組みを最初から作ってください。マニュアル化、複数人での分担、テンプレートの共有。ここを後回しにすると、数年後に振り出しに戻ります。

AI音声やAI画像生成の登場で、内製のハードルは下がりました。ただ、AIだけで品質は担保できません。人のディレクションが入って、はじめて研修として機能する映像になります。


ほとんどの企業に勧めるのは「まず外注、あとで内製」

ぶっちゃけ、一番コスパが良い方法をお伝えします。

最初の10〜20本は外注で型を作り、そのあとに内製化する。これです。

理由は3つあります。

  1. 外注で品質基準とテンプレートが手に入る
  2. 担当者が制作プロセスを見ながらノウハウを吸収できる
  3. 完成品を社内で共有し、上層部の理解を得てから内製に進める

この順番なら失敗しません。逆に、最初からゼロベースで内製を始めて挫折した会社を、私は何社も見てきました。「ツールを買いました。で、誰が作るんですか」で止まる。本当に多いパターンです。

ハイブリッド型を選ぶなら、外注先にひとつだけ必ず確認してください。

「制作データを共有してもらえますか」

元データをもらう場合に追加費用がかかる会社もあります。あとで聞くと交渉になりますが、最初に聞けば条件になります。発注前に確認しておいてください。


まとめ

  • 内製を選ぶなら:年間20本以上・機密性重視・専任担当者がいる。3つ揃ってから
  • 外注を選ぶなら:年間10本以下、スピード重視、担当者の本業を守りたい。どれか1つで十分
  • 迷ったらハイブリッド型:最初の10〜20本は外注で型を作り、そのあと内製化
  • 内製コストは「ツール代+人件費+その時間で失う他の仕事」で計算する
  • 内製の弱点はツールではなく人。属人化を防ぐ仕組みを先に作る
  • AIで内製のハードルは下がったが、ディレクションは人が握る

両方を見てきた私の本音を書きます。人の余裕があってコストを抑えたいならハイブリッド型。期日が決まっているなら外注。この2択でほぼ足ります。

そして、どちらを選ぶにしても最初の1本は同じです。「誰が決めるか」を決めること。ここが決まっていない会社は、内製でも外注でも止まります。

外注を検討するなら社内研修動画を外注するメリット・デメリットを、発注前の準備はチェックリスト15項目をご覧ください!


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